皆さん、こんにんちは。関西広域連合議会議員のあしたか清友です。関西広域連合議会は、大阪府、兵庫県から各5名。滋賀県、京都府、奈良県、和歌山県から各4名。徳島県、大阪市から各3名。鳥取県、京都市、堺市、神戸市から各2名の議員定数40名で構成される特別公共団体です。関西広域連合議会には、これまで奈良県は部分参加でしたので奈良県議会から3名が出向していましたが、2024年4月より奈良県が全部参加になり、関西広域連合議会6月定例会より奈良県議会から4名の出向になりました。私、あしたか清友は、奈良県議会議員として一年目より関西広域連合議会議員として、そして奈良県議会議員の中で関西広域連合議会の理事として参加し、二年目も引き続き所属しております。
前回の一般質問は、①関西広域連合議会の意義、あり方について、②広域交通インフラについて、③日本酒をはじめとする関西の食に係る魅力発信とマーケット拡大支援について、を昨年の8月24日(木)に、徳島県議会の本会議場で行いました。今回の一般質問は、①海外からの誘客プロモーションについて、②関西の農林水産物の国内外へのマーケット拡大策について、③ワールドマスターズゲームズ2027関西の準備状況等について、を8月22日(木)、23日(金)に鳥取県議会が改装中であるため、鳥取県の米子コンベンションセンターにて行いました。要旨をまとめて、一般質問の内容を報告します。
1、海外からの誘客プロモーションについて
【あしたか清友】ただいま議長のお許しを得ましたので、奈良県議会、会派自由民主党・無所属の会、芦髙清友の一般質問をさせていただきます。関西広域連合は、広域行政を担う責任主体となることを設立以来の目的の一つに掲げ、
委員がそれぞれ事務を分担することで、簡素で効率的な組織運営を行いながら、目的達成に努められていることを認識しています。大きなビジョンを掲げておられる中ではありますが、既存の事業においても、さらに効果が上げられる手法、方法があるのではないかと考え、項目1、海外からの誘客プロモーションについて、項目2、関西の農林水産物の国内外へのマーケット拡大策についての2つの項目を上げました。また、3年後に迫ってきましたワールドマスターズゲームズ2027関西の準備状況を確認したく、3つ目の項目を上げさせていただいております。
それでは、項目1番、海外からの誘客プロモーションについてお伺いします。関西広域連合として実施する事業につきましては、各構成府県市が仲間であるとともに、ややもするとライバル関係とならざるを得ない状況となることもあると考えます。特に国内旅行においてはそうなるものと認識しています。しかし、海外からの誘客促進については、まずは、ほかの地域よりも関西に来てもらえるよう、日本に来るなら関西が魅力的であるとプロモーションすることは、関西広域連合として一つになり、協力し合えると思います。現在、インバウンドは順調に回復している状況であるため、海外からの誘客プロモーションについては、狙いを持って行うべきと考えます。具体には、地域への高い経済効果が期待できる海外の富裕層をピンポイントの重点的な対象として、富裕層向けの雑誌やウェブ等を活用し、関西への誘客プロモーションをしてはどうかと考えますが、海外からの誘客プロモーションについて、今後どのように取り組んでいかれる予定なのか、御所見をお伺いします。
【副広域連合長(西脇隆俊)】 芦髙議員の御質問にお答えをいたします。海外からの誘客プロモーションについてでございます。関西広域連合ではこれまでから、「関西」という名称を強くアピールし、ブランドとして浸透させるべきという考えから、関西が一体となって海外からの観光誘客について様々な取組を実施してきたところでございます。例えば、昨年度、韓国においては、三日月連合長を団長として、また、タイにおきましては、私が団長として実施した関西広域連合のトッププロモーションでも、訪問先の政府関係者や旅行会社などから、「関西」という広域エリアでのプロモーションであることを高く評価していただきました。引き続き「関西」という広域で取り組むことで、スケールメリットも生かしながら、関西各地への誘客を図ってまいりたいと考えております。また、海外の富裕層をターゲットとした誘客プロモーションにつきましては、観光庁におきましても、地域における消費額増加等の観点から、今後の重要なインバウンド戦略の柱の一つとして取組を進められているところでございます。例えば観光庁が実施している地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり事業では、議員の御地元の奈良県が含まれております奈良南部・和歌山那智勝浦エリアが、総合的な施策を集中的に講じるモデル観光地として選定されております。関西各地におきましても、上質かつ特別感のある宿泊体験や食体験などを盛り込んだ観光コンテンツの造成などの取組が既に始まっているところでございますが、広域連合におきましても、関西観光本部と連携し、関西各地の地域の魅力を生かした観光コンテンツの磨き上げや高付加価値化のための取組を行っております。具体的には、1回の旅行で100万円以上消費される外国人観光客をターゲットとして、例えば関西の伝統産業の匠の技を身近に感じる体験や、長い歴史や豊かな自然などに支えられた食文化の体験など、特別な体験を盛り込んだ旅行商品の企画開発などにも取り組んでいるところでございます。今後は、議員からも御提案のありましたとおり、これらの関西各地の魅力を生かした上質で消費単価の高い観光コンテンツを、海外富裕層に向けてしっかりプロモーションしていくことも重要だと考えております。そのため、付加価値の高い上質な旅行情報を取り扱います会員制のウェブサイトにおける情報発信などにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、現在見直しを行っております関西観光・文化振興計画に、観光資源の高付加価値化や情報発信の強化に関する施策を位置づけまして、関西各地への誘客につながる取組を展開してまいりたいと考えております。
【あしたか清友】 観光庁の紹介もありました。その前段に至っては、韓国等、連合長と共に行っていただきましてありがとうございます。その中で、国と関西においては関西の観光本部であるとか、この関西広域連合の中で観
光分野の事務の役割というところで、関西広域連合が関西の観光本部に負担金を出しているという状態の中で、関西広域連合の観光部会と関西の観光本部とのこういった、先ほど観光庁の紹介もありましたけども、国も含めて、役割分担のほうをしっかりできているのかどうか、お伺いします。
【副広域連合長(西脇隆俊)】 芦髙議員の御質問にお答えいたします。まず、関西広域連合といたしましては、広域連合が構成府県市の行政体の組織であるということでありまして、その役割に基づいて、例えば通訳案内士の人材育成とか、観光プロモーションとか、あと、環境整備ということをやっております。一方で、関西観光本部は、これは民間事業者の方も当然入っておられる中に、我々は負担金を出しておりますけれども、より自由度の高い取組をするということで、観光の広域観光ルートづくりでございますとか、あと、テーマツーリズムの推進というようなことで、より自由度の高く、しかも、民間の資金も活用した形で、より民間事業に近いところでの役割を果たしておるということでございまして、そういう意味では、我々としては、しっかりした役割分担の下に進めているつもりでございまして、観光振興という比較的ソフトなテーマでございますので、私としてはできる限り民間の活力も活用しながら、我々の役割をその中でしっかりと果たしていきたいと考えております。
【あしたか清友】 重複するような取組が重なり合うことがないようということを思うとともに、先ほど質問でさせていただいた、本当に具体の細かな話ですが、富裕層のターゲットに向けた会員サイトにも積極的に発信していくというような答弁もいただきました。それが、先ほど聞いたのは、ここの関西広域連合の事務としてやっていただけるものなのか、連携し合っている関西観光本部で取り扱っているものなのかというところが少し気になったので、確認させていただきました。それだけにかかわらず、国と関西広域連合、そしてまた、関西観光本部と、いろんな事業が重なり合わないように、重複しないような取組内容、そしてまた、今ある事務をさらに工夫していただくということ、この両方をお願いしておきます。
2、関西の農林水産物の国内外へのマーケット拡大策について
【あしたか清友】続いて、2番に行かせていただきます。項目2番は、関西の農林水産物、国内外へのマーケット拡大策についてお伺いします。2013年、「和食;日本の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。フランスの料理が2010年にユネスコ無形文化遺産に登録されて3年後のことでありました。登録上は、正月の食の伝統様式であり、日本人の暮らしや伝統文化と一体で受け継がれてきた点、そして、季節感や地域ごとの多様性、自然との調和等、高く評価されたものでございます。その中で、その食を支えているのが、言うまでもなく農林水産物でございます。関西広域連合として、関西の農林水産物をアピールするに当たっては、国外はもとより、国内へ向けても、連携して魅力発信しているものと認識しています。先ほどの質問で触れた国内旅行とは異なり、農林水産物の販路拡大においては、各構成府県市はライバルというより、一緒にマーケットを拡大する仲間であると考えます。現に、現在、関西広域連合で実施している直売所での交流促進事業では、域内農林水産物の消費拡大を図るために、構成府県市内の直売所で交流イベントのマッチングを行うもの、そして、非常に好事例というふうに私は考えます。農林水産物のマーケット拡大については、関西広域連合として一つになり協力することができ、かつ最も効果が得られる分野であります。そこで、関西の農林水産物の国内外へのマーケット拡大に向けて、今後どのように取り組んでいかれる予定なのか、御所見をお伺いします。
【広域農林水産振興担当委員(岸本周平) 】お答え申し上げます。今おっしゃっていただいたとおりでありまして、その上で、構成府県市によりましては、売り込みたい農産物の品目、対象地域等が異なる場合には、基本的にはそれぞれの府県市が実情に応じて生産者や事業者への支援を行っているということであります。一方で、関西広域連合として取り組むことで高いシナジー効果を得られるような事業につきましては、連携、協力してこれまでも取り組んでまいりました。具体的には、今御指摘をいただきましたように、府県域を超えました直売所の交流イベントをこれまで104回開催してまいりました。さらに、2021年からは、ウェブ型のマッチング商談会を実施し、連合域内の生産者や事業者とバイヤーとの間で、延べ361件の商談を実施したところであります。輸出に関心のある事業者向けに食品輸出セミナーの開催も行っており、海外への販路開拓にも連携して取り組んでおります。また、来年2月なんですけれども、大阪・関西万博のプレイベントであるKANSAI感祭におきまして、域内特産物の販売やPRを行うことにしております。今後とも、御指摘のとおり、関西の農林水産物の国内外への販路拡大に向けて、積極的に取り組んでまいります。
【あしたか清友】 1年前に岸本委員とも関西の食のことについて、特に和歌山のこともいろいろ教えていただきました。その農林水産物の加工品も含めますと、各地に特産品がある中において、これは関西でまとまって外に発信できると。直売所の交流は、これはもう人も物も域内で動きますから、これは近くで、域内でやれることだというふうに思っています。海外の販路については、やっぱり今、各都道府県にあるジェトロ等を使って、これは関西広域連合ともしっかり連携すれば、関西をパッケージとして売り出すということは可能なのかなというふうに思っています。ちょっとその点について、お考えを伺います。
【広域農林水産振興担当委員(岸本周平)】 ありがとうございます。それぞれ、和歌山県もそうなんですけど、和歌山県はジェトロの事務所が県庁内にありまして、非常に連携を取らせていただいています。確かにこれまで、和歌山県と和歌山のジェトロ事務所で海外、一緒に私も行っていましたけれども、おっしゃるとおり、関西広域連合で、府県市でジェトロと協調しながら、パッケージで海外に売り込みに行くというのは大変良いアイデ
アだと思いますので、前向きに検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
【あしたか清友】 質問の1項目と2項目というのは非常にちょっと細かな話なんかなというふうには思うんですが、今ある事業で工夫して、事業の拡大や権限の移譲云々の前に、現状でできることがあるんじゃないのかなというふうに思った次第で、質問させていただきました。また御検討もいただいて、ぜひ来年度予算以降につなげていただきたいというふうに思います。
3、ワールドマスターズゲームズ2027関西の準備状況等について
【あしたか清友】3項目に移ります。ワールドマスターズゲームズ2027関西の準備状況等についてお伺いします。ワールドマスターズゲームズ関西大会は、おおむね30歳以上のスポーツ愛好家であれば誰でも参加できる一般参加型国際総合大会であり、当初はアジアで初めての開催となる予定でありました。コロナ禍の影響により、数度にわたって延期となったこともあり、2027年5月14日から17日間にわたって開催されることとなっています。大会の競技数等に目を向けますと、正式な競技種目として、全35競技59種目が予定されています。また、大会機運の醸成と大会参加機会を増やすことを目的に実施するオープン競技が34競技予定されているなど、世界各国から多くの参加者が見込まれる大規模な大会です。一方で、数度にわたる延期の影響により、機運醸成や周知についてしっかり行っていかないと、大会の成功が危うくなるのではないかと心配の声もあり、私もそう考えます。ワールドマスターズゲームズ2027関西大会に向けて、今後どのように取り組んでいかれる予定なのかについて、御所見をお伺いします。
【スポーツ振興担当委員(齋藤元彦)】 お答えをいたします。2027年5月の開催が決定いたしましたワールドマスターズゲームズ関西大会でございます。世界各国からの参加による多様な交流やスポーツツーリズムを通じた地域活性化など、多くの効果が期待できます。現在、ワールドマスターズゲームズ関西組織委員会と関係府県市が連携しまして、競技会場の確認や選手受入れの体制づくりなど、3年後の開催に向けた調整を進めております。御指摘のとおり、二度の延期から参加者のモチベーションを維持するためにも、一丸となって機運の醸成を取り組むことが重要だと考えています。連合のスポーツ部では、2022年に誰もが参加できる大会として関西ワールドマスターズゲームズを創設し、構成府県域全域はじめ、全国から参加可能な広域大会も実施しています。この大会は、ワールドマスターズゲームズの開催地では同種目の開催としまして、今年度は14競技の開催を予定します。ワールドマスターズゲームズの冠名称をつけた大会は
年々増加傾向でございます。328の生涯スポーツ大会に約8万7,000人の参加を目指すほか、大会の開催予定日である5月14日を関西スポーツの日、5月を関西スポーツ月間として、意識づけを行っております。委員会では、国民スポーツ大会、全国障がい者スポーツ大会のほか、シニア世代を対象とした日本マスターズ大会など、国内の大規模スポーツイベントなど、様々な大会などにおいてブース出展などPRをしております。これもしっかりこれからもやっていきます。
2025の台北・新北市大会との間で、知名度向上と参加者の拡大を目的とした連携も本年2月に締結をしました。新たな参加者の開拓をこれからも万博などにおいても広報活動をしっかりやっていきたいと思います。8月11日に閉幕したオリンピック、そして、今後開催されるパラリンピックです。文化や国籍などの違いを超えたスポーツの力を、我々はマスターズゲームズを通じてさらに磨き上げて、発信をしていきたいというふうに考えています。
【あしたか清友】 着々と準備等、特に正式な種目は開催されているんかなというふうに私も認識しています。その中で、正式な競技種目において、開催地のあるところは、都道府県なり、大本になります実行委員会に入ってはいますけれども、オープン競技等ですね、これは競技団体とか、これはもう誰でも参加しやすいような形で進められていくのかなというふうに考えています。ちょっとそういったところも、まだ決まっていないのであれば、なかなか難しいですけども、3年を切りまして、実行委員会が活発に動き出す時期なのかなというところで質問させていただきました。特にオープン競技等について、どのような準備になっていくのかという点を最後にお伺いします。
【スポーツ振興担当委員(齋藤元彦)】 お答えをいたします。大変大事な御指摘だというふうに思います。確かに正式な種目として全35競技59種目が予定されております。ここは、まずはメインとして、各担当している府県市含めて、大会委員会がしっかりやっていくということでございますが、やはりオープン競技である34競技というものも予定されていますので、こちらもやはりより幅広い層に含めて、機会をやっぱり提供させていただくということが大事ですから、日本のみならず、世界各国から多くの方が来ていただけるような、そんな機運醸成をこれからも着実にしっかりやっていきたいと考えています。
【あしたか清友】これは本当に関西一円に開催地がありますので、大変期待されているものですので、そしてまた、参加しやすいものでもありますので、今は大阪・関西万博がありますが、その後には、この大会の準備、また、機運醸成に向けてしっかり準備していただきたいというふうに思います。今回、手法や方法の少し細かな点もありましたけども、この決算議会において資料も読み込んだ中において、ちょっとこういったことになってしまったということを御理解いた
だきたいというふうに思います。しかし、そういった大きな在り方や意義等、ビジョンはしっかり明確に書かれていますが、こういった今ある事務に関しても、もっとできることないんかなというような視点も持っていただいて、来年度の予算編成に生かしていただきたいというふうに思います。私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
関西広域連合議会は、事務の対象は関西広域であり質問時間も短い中で、端的に質問しなければなりません。そんな中で、良い答弁がいただけたと考えます。これからも地元の事業を想定しながら、広域連合でもよりよい質問になるよう務めてまいりますので、ご意見ご質問などございましたら、お問い合わせフォームからお問い合わせいただけたら幸いです。引き続き、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。