議会報告・地域報告

【関西広域連合議会】【令和5年8月議会】【一般質問】【あしたか清友】

1.関西広域連合の意義、あり方について (関西広域連合への全部加入、一部加入のメリット、デメリット)

2.広域交通インフラについて「大阪・関西万博」に向けた整備促進 (高規格道路等のミッシングリンクの早期解消)

3.日本酒をはじめとする関西の食に係る魅力発信とマーケットの拡大支援について

 

皆様、こんにちは。奈良県議会のあしたか清友です。8月24日に【関西広域連合議会】の8月議会が、徳島県議会の本会議場で開催されました。私、あしたか清友(芦髙清友)は、関西広域連合議会の理事として奈良県議会より参加させていただいております。関西広域連合議会は、奈良県をはじめ、大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、和歌山県、徳島県、鳥取県、大阪市、堺市、神戸市が参加しています。奈良県のことだけを質問する場ではありませんが、奈良県の課題と結びつけながら全体に係る事項を一般質問しました。詳細は、議事録が出ましたら、確認し随時更新をしますので、よろしくお願いします。

1 関西広域連合の意義、あり方について(関西広域連合への全部参加、部分参加のメリット、デメリットは?)

【あしたか清友】関西広域連合は、複数府県で構成する全国初の広域連合として、平成22年12月に設立され、「分権型社会の実現」、「関西全体の広域行政を担う責任主体」、「国の出先機関の事務の受け皿づくり」という趣旨のもと、7分野の事業に取り組んできているものと認識している。奈良県は、平成27年12月に一部参加し、「広域防災」と「広域観光・文化・スポーツ振興」の分野に限って、関西広域連合に参加している状況です。
奈良県が、すでに参加しているその他分野、全部参加により享受できる関西広域連合の取り組みとは、どのようなものがあるのか伺いたい。
また、関西広域連合として、その設立趣旨等をふまえ、今後どのように発展していこうとお考えか伺いたい。

【三日月・広域連合長】奈良県の全部参加が実現すれば、新たに「広域産業振興」「広域医療」「広域環境保全」「資格・試験免許等」「広域職員研修」の分野において、広域で事務を行うメリットが生まれる。関西広域連合が一元的に担う事務が増えることで、「関西は一つ」という体制が一層強まり総合力の発揮につながるものと考えている。例えば、広域医療では、他の地域では類を見ないドクターヘリ8機による一体的運航、広域環境保全では、関西全体で取り組む温暖化対策等の実施エリアの拡大、資格・試験免許では、奈良県を含めた事務を一括処理することによって効率化につながり、住民サービスの向上にも寄与するものである。関西広域連合は、広域行政を担う責任主体となることを設立以来の目的の一つに掲げてきた。委員がそれぞれ事務を分担することで、簡素で効率的な組織運営を行い、この目的の達成に努めてきた。今後とも、奈良県が全部参加することによる人員面や経費面でのスケールメリットも生かしつつ、関西における広域的な政策課題に対し、効果的な施策を展開していく。

2 広域交通インフラについて「大阪・関西万博」に向けた整備促進(奈良県と大阪府を跨ぐ高規格道路等のミッシングリンクの早期解消等は?)

【あしたか清友】関西広域連合第5期広域計画において、その取組方針として、広域交通インフラのあり方については、「関西大環状道路や放射状道路等の形成による関西都市圏の拡充、陸海空の玄関から3時間以内でアクセス可能な関西3時間圏域の実現、日本海国土軸及び太平洋新国土軸等の形成、地域を総合的に活用できるインフラ確保及び大規模地震などの自然災害等への備えのため、高規格道路等のミッシングリンクの早期解消等について、 関西一丸となった取組を推進していく。とりわけ、「2025年大阪・関西万博」の効果を最大とするためには、関西各地へのアクセス向上が急務であり、万博開催までに 広域的な高規格道路ネットワークの形成に向け、国に積極的に働きかけていく。」と定められているものと認識している。私も、「大阪・関西万博」に向けて、今が道路整備を促進する絶好の機会と考えており、高規格道路だけでなく、広域交通に資する府県をまたぐ道路の整備も重要と考えている。
そこで、「大阪・関西万博」に向けた、国への働きかけの状況やそれを受けての現在の道路の整備進捗状況について伺いたい。

【三日月・広域連合長】関西広域連合では、平成25年に取りまとめた「関西広域連合広域交通インフラの基本的な考え方」に基づき「広域インフラマップ」を作成し、高規格道路等のミッシングリンクの早期解消について、関西全体で力を合わせて取り組んでいる。また、「2025年大阪・関西万博」に関しては、万博会場周辺から関西圏の隅々まで円滑な移動が可能となることや、開催後の関西の成長基盤となるようインフラの整備を進めることなどを国に要望しているところ。なお、高規格道路等の整備進捗状況については、「広域インフラマップ」に掲載している路線のうち、令和5年3月末までの間で、約500kmが開通し、未開通区間は約800kmとなっている。今後とも、「2025年大阪・関西万博」開催に向け、関西一丸となって、道路を含むインフラの整備にしっかりと取り組んでまいりたい。

3 日本酒をはじめとする関西の食に係る魅力発信とマーケットの拡大支援について(奈良県発祥の日本酒を)

【あしたか清友】関西広域連合では、農林水産部が「関西広域農林水産業ビジョン」の6つの戦略に基づき、各種取組を進めているところと認識している。この6つの戦略の内、戦略1「地産地消運動の推進による域内消費拡大」、戦略2「食文化の海外発信による需要拡大」、戦略3「国内外への農林水産物の販路拡大」は、手法やターゲットは異なるものの、いずれも関西の農林水産分野でのマーケットの拡大を目指すもので、今後ますます積極的な取り組みが必要と考えている。ユネスコの無形文化遺産に登録されている「和食:日本人の伝統的な食文化」に関して、私は、和食の原点は関西だと考えている。 千有余年にわたり、日本の中心地として栄えた関西は、全国各地から 様々な食材等が集まるとともに、特色のある農林水産業が発展し、伝統ある食文化が育まれてきた。その中でも、とりわけ関西が発祥である日本酒においては、関西の各地域で作られていることもあり、関西広域連合として強くPRを行い、好調な海外展開のみならず、域内での消費拡大にも積極的に取り組み、さらなるマーケットの拡大を図っていくべきであると考える。
そこで、日本酒を含めた関西の食の需要拡大に向けた取り組みについて、これまでの成果や今後の取組予定について伺いたい。

【三日月・広域連合長】関西広域連合では2013年に「農林水産業ビジョン」を策定し、6つの戦略に基づき国内外での販路拡大など、種々の施策を推進しております。議員お話の日本酒については、特化した取組は行ってきておりませんが、和食の原点は関西であるとの認識から、醤油やかつお節等とともに関西発祥の食材として様々な機会において情報発信しているところです。また、府県域を越えた直売所間の交流イベントをこれまで延べ94回開催し、その中で農産物に加え日本酒のPR販売を行うほか、2021年から実施しているマッチング商談会では、酒蔵を含む事業者等とバイヤーとの間で延べ263件の商談を実施しました。さらに、食品輸出セミナーの開催など海外の販路拡大にも取り組んできたところです。今後、国内市場は人口減少等により縮小が懸念されますが、インバウンド需要は回復傾向にあるため、引き続き日本酒を含む関西の食の需要拡大に努めてまいる。

【1】については、奈良県が全部参加の意思を表明されていますが、参加のためには【構成する全ての府県市の規約変更の議決が必要】であるので、特に地元・奈良県議会には、山下知事より丁寧な説明が必要であることを申し上げました。【2】については、「大阪・関西万博」を契機に広域交通インフラの整備が進められているが、奈良県と大阪府に係る「国道165号香芝・柏原改良」事業を念頭に置きながら、特に府県を跨ぐような高規格道路のミッシングリンクの早期解消にも取り組んでいただきたい旨を申し上げました。【3】については、奈良県が発祥である日本酒をはじめ「国のまほろば」「農にまほろば」である奈良県発祥の食を念頭に置きながら、日本酒をはじめとする関西の食のマーケット拡大支援を申し上げました。次回は、10月7日(土)に産業環境常任委員会、10月14日(土)に総務常任委員会と続きます。引き続き、奈良県の課題解決に繋がるような活動を関西広域連合の枠組みでも取り組んで参りますので、HPをご覧いただいている皆様には、今後ともご指導・ご鞭撻の程よろしくお願いします。

【関西広域連合議会】令和5年度日程(予定)

6/17(土)全員協議会@NCB会館・大阪市

6/24(土)6月臨時会@NCB会館・大阪市

8/17(木)全員協議会@リモート開催・奈良県議会

8/24(木)8月定例会@徳島県議会・徳島市

8/25(金)管内調査@徳島市

9/9(土)防災医療常任委員会@NCB会館・大阪市

10/7(土)産業環境常任委員会@堺市議会・堺市

10/14(土)総務常任委員会@NCB会館・大阪市

11/2(木)全員協議会@リモート開催・奈良県議会

11/16(木)11月臨時会@大阪府立国際会議場・大阪市

12/9(土)防災医療常任委員会@奈良県議会・奈良市

12/16(土)全員協議会@NCB会館・大阪市

1/12(金)総務常任委員会@NCB会館・大阪市

1/22(月)産業環境常任委員会@NCB会館・大阪市

2/10(土)全員協議会@リモート開催・奈良県議会

3/2(土)3月定例会@NCB会館・大阪市

PAGE TOP