議会報告・地域報告

【食を地域からプロデュースする】~地域からの情報発信と行政の可能性~

皆様こんばんは。我ら若人、あしたか清友(芦髙清友)です。

調理師出身ですので、食に関わる事はどの議員よりも知っていますし、現場の声も一番聞いていると思います。また、食に関わる講演もどの議員よりも聞く機会があります。農福連携や食育、六次産業化やフードツーリズムなど食といっても沢山の政策【ポリシー】があり、施策【プログラム】が展開され、事務事業【プロジェクト】体系的にあります。今回の講演の内容は、そのポリシーの根底の部分にあたると思いますが、今までで一番心に残る講演に出会ってしまいました。参加者と対話をしながら理解を深めていくという手法で、その方の哲学を感じることが出来、大変素晴らしいお話と人柄でした。自らすすんで議事録を担当させていただきましたので、その方と深く長くやりとりが出来、本当に光栄でした。その方は、世界、全国でお仕事をされていますが、数ある事業の一つに、川上村の食に関する事業で奈良に来られているとの事です。次回は香芝でお会いして、引き続き色々と勉強させて頂きたいと本気で思います。今回は、是非とも、皆さんにもこの思いを伝えたく、その方の講演をまとめ、質疑応答の議事録にて、報告致します。

ちなみに、私、あしたかは、一般社団法人葛城青年会議所にて事務局長を務めた経験がありますので、文字起こしは、得意な方ではないかと思います。会議の議事録を作成することは、莫大な時間を要し、皆さんも大変苦労された経験があるかと思いますが、私は、めちゃくちゃ慣れています^^ 議事録の重要性を学ぶことが出来、また、技術的にも出来るようになるまで経験を積ませていただいた葛城青年会議所には本当に感謝しております。そのようなクセがついている私は、会議での発言では、要旨をまとめ分かり易く質疑や質問することを心がけています。思い付きで何を言っているのか分からないものは、議事録作成者なかせですし、当然会議自体のパフォーマンスも低くなります。色んな団体の色んな場面で、何を伝えたいのか、何を言いたいのか、何度聞きなおしても議事録が作成出来ない経験をした事が沢山ありました。自分自身はそうならないように心がけるのは、そのような背景からです。世の中には数え切れない団体がありますが、会議を大切にしない団体も沢山あります。会議は開催されているが、きちんと会議録が整理されていない団体も沢山あります。団体の歴史を読み解き、今までの流れを把握することは、未来を築き上げようとする我々若手にとっては大変、重要な前知識です。ですので、会議録がきちんと残されていないと、団体の理念を正しく理解出来ませんし、団体自体が場当たり的な運営をしているのだと判断してしまいます。感覚だけで事業の継承は出来ませんし、思っているだけでは思いは伝わりません。【香芝市議会】の議事録も、検索をかければ一言一句、正確に掲載されてたものが出てきますので、是非一度検索して、チェックしてみて下さいね。多くの方に【香芝市議会】の議事録を見ていただきたいと本気で思っています。この「あしたか清友」HPでは、可能な限り、一般質問など、私自身の発言を報告させていただくことで、ご覧いただいている皆様が、【香芝市議会 議事録】から他の議員の発言や香芝市の答弁をみていただくきっかけになれば、と常に考えながらタイピングしています。まさに、今もです。誰がどのような発言をしてきたのか、また、しているのか、何を言って何をやったのかを見比べていただければ幸いです。

おっと!話がそれてしまいましたので、もとに戻しましょう^^

今回の報告は、奈良の食に関わる全ての方に読んでいただきたいです。

 

久保先生には、掲載の許可を得ましたが、その他の参加者などに関しては個人名が特定されないように、無記入や〇〇等で表記します。講義内容は、レジュメを基に講義での発言をまとめて記載しました。質疑応答は、通常の議事録として、一言一句記載しております。6月28日の講義後から約1ヶ月かけて、久保先生にも何度も議事録の内容を確認していただきました。ちなみに参加者は、県庁職員、市役所職員や市議会議員、大手広告会社のクリエーター、国税庁職員、高校教諭、企業コンサルタントなど、民間から行政まで、まちづくりを担う面々です。香芝市からは、私、あしたかのみの参加でございます。それでは、まいりましょう。

食から地域をプロデュースする~地域からの情報発信と行政の可能性@パリクラブ理事・久保昌弘先生

料理の中の日本庭園=総合芸術

 

日 時     令和元年6月28日(金)〇〇時

場 所

開 会

閉 会

出席状況

構成員  名

出席者  名

出席率  %

出 席 者

オブザーバー

欠席者

 

講師

久保昌弘(くぼよしひろ)先生

辻調グループ所属/日仏経済交流会(パリクラブ)理事/早稲田大学産研講演会/国立高雄餐旅大学 講師歴任

 

テーマ

“食から地域をプロデュースする” ~地域からの情報発信と行政の可能性~

「フランス/リヨンと日本/大阪を考察」

 

議題

1.世界の食文化における近代史“フランス”

2.フランスの“食の地域戦略”

3.日本の食文化“価値と評価”

4.日本/大阪の食産業“変遷と発展”

5. “善き未来へ”

 

セクレタリー  芦髙清友

署名人  〇〇〇〇

≪資料確認≫ アジェンダ資料 1部

資料映像 1点

≪〇〇〇〇挨拶≫※ホスト それでは時間になりましたので、講演会を開始したいと思います。本日の講師は久保昌弘先生です。皆様ご存知の辻調グループでフランスでのご勤務が長く、日仏経済交流会の理事などもなさっておられます。政府での活動にもご関与なさっておられます。最近ですと、地域を見るときに、先細りや消滅していくなど悲観的な言葉が流れてきます。政府の役割は民間の流れに邪魔しない方が良い、小さければ小さいほうが良いということは、政府と我々の断絶も深くなるということであります。一方では、地域は可能性の宝庫なのだということが政府と連携し合うことで見えてきます。“食から地域をプロデュースする”ということをフランスでの経験を交えながら、地域、国、そして世界へとより良くする可能性を考えていきたいと思います。久保先生、本日はよろしくお願い致します。
≪久保昌弘先生挨拶≫ 皆様、こんばんは。辻調グループに所属をしておりまして、日仏経済交流会の理事をしております久保昌弘と申します。先ほどご紹介していただきました通り、フランスに通算18年滞在しており、辻調グループのフランス校のディレクターを長らく務めさせていただきました。2014年に日本に戻ってまいりました。フランスにおける食、観光、行政に関してある程度の経験とともに理解をしているところがあります。まずは、2分間ほどの動画を観ていただきたいと思います。官邸が作成している動画を提供していただいています。これは、日本の食、そして地域と東京や大阪の都市を繋ぎ合わせる、インフラも含めた日本の素晴らしい部分を映し出している動画です。マグロがテーマで、東京で活躍するフランス人シェフの手元にそのマグロが届いて、我々の文化の通りに、彼はそのマグロに対して尊厳をもって、火を通さずに料理をして、抹茶の粉をかけて、美意識の高いフランス料理に仕上げていくというところに、世界とのかかわりが見えてくるのではないかと思います。
≪はじめに≫久保昌弘先生 ≪官邸が作成した2分間程度の動画を視聴した≫

 

・2分の動画に日本の特徴が表れている

・国土が狭くて人口が集中している

・インフラが整っている社会

・文化として生食を大事にしてきた

・安全、衛生、ロジスティックに関わる人の姿

 

今日は貴重な機会をいただき、皆様にこのようにお話をさせていただいているのは、もともと〇〇〇〇は総務省におられて、私も、働き方改革、オフィス改革に関りを持たせていただいていて、去年、総務省の〇〇さんが〇〇で〇〇〇〇をされた繋がりがあって、本日バトンをいただいたと思っております。今日のテーマは、“食から地域をプロデュースする”ということで、ここでの地域とは、大阪なのか、関西なのか、西日本なのか、日本なのか、日本とてアジアの一地域ですから、その地域の概念というのも自由に想像しながらお話を聞いていただければありがたいと思います。私自身がフランスのリヨンに長くいましたので、まず初めにリヨンで学びとってきたことを事例としてお伝えしようと思います。フランスやリヨンは、日本や大阪とでは当然背景が違います、民度が異なります。そのようなことからどのような接点、理解をしていけば良いのかを考察させていただきたいと思います。

≪1.世界の食文化における近代史~食文化先進国・フランスの歴史と価値~≫ 【美味しい食べ物は人を幸せにする。スポーツ・芸術・音楽と同じ、世界中で必要、国境もない】

 

・フランス革命【民主主義の礎】

「生きていくための最低限すら満たされなかった社会の変化」

生きるために食べなくてはならないことは人間の根源的要素。

革命以前に欧州で印刷技術が高まり、書物が出版されるようになり、

百科全集派の登場により、啓蒙主義と識字率を高める必要性からも教育が重要となり、市民社会を望む、知性の手助けとなった。

・ウィーン会議【正統主義】

→ナポレオン時代後の欧州外交政治会議であったが、タレーラン(フランス外務大臣/メートル法の提唱者でもある)とカレーム(フランス人シェフ/19世紀のフランス料理術著者)により食卓外交を展開。欧州の新しい秩序において、敗戦国のフランスが、正統主義を主張。同時にフランスの優れた食文化がヨーロッパ中に知られるようになる。

【タレーランはメートル法の提唱者でもあり、もし、この統一単位がなければ、世界中のレシピはどうなっていたのか?】メートル、リットル、キログラム、統一された単位により国際モジュールになっていく。

 

【フランスは何かをするときに、年齢・立場・国籍・国境・性別関係なく、まず地球人という視点を持ち合わせている。】

・近代オリンピックの開催提唱(クーベルタン)

・万国博覧会の開催

→1900年には、オリンピックと万博同時開催(花の都パリが知られる)*その数十年前から、オスマンによりパリの都市整備を行ってきた。

・サッカーワールドカップ開催(フランス人ジュール・リメ会長)

・サミット初開催(1975年ランブイエ/ジスカールデスタン大統領時代)

・ボキューズドール(料理のワールドカップ/ポール・ボキューズ提唱)

・製菓世界選手権(お菓子のワールドカップ)

 

国際イベント開催、世界的な行動により、フランスに

【世界中から人が集まる】→【観光立国】へと進んでいく。

・国際社会での地位の確立。一流ホテルにおけるレストランの役割、  食文化、料理人の社会的地位の向上、インバウンドの善き効果。

 

フランス料理を近代化/エスコフィエ(シェフ)

【働き方改革】→【コース料理/分業制】

・美食の大衆化、国際化によって合理的・効果的に最上の結果・味に

しなければならない。オーガ二ゼーションを高め、時間を生み出し、新しい美食の考案に移行する(ルーチンからクリエーション)

・味本位→素材重視・健康的な料理(後に日本化と共通していく)

・標準化→簡素化・コース料理

・労働環境改善→分業制・社会保障整備

・体系化→言語化・コミュニケーション

 

・馬車から鉄道や船、自動車や飛行機の発達

・人の移動・文化交流・物流の広がり

・余暇・休日・ヴァカンス→レストラン・旅行→ジャーナリズム

【人々がより遠くに行けることになったことで、ガイドブックが必要になった→ミシュラン(1900年発刊)】当初はガソリンスタンドや修理工場などの紹介。後に、レストランやホテルを記載しはじめ、1920年代後半から星をつけ始める。

・私の見解では、ミシュランガイドブックは、歴史もあり社会信用もあり大いに参考になるが、それがすべてではない。食通の中では、たとえば、星がついていない若手のレストランで美味しいお店を見つけたときの幸福が素晴らしいともされる。私たちの生活の中では、ガイドは参考になるが、自分が食べてみて、自分の価値観に基づいて評価することが大切。

【ブレーズ・パスカル】

ミシュランが起こった、フランスのクレルモンフェランという町は、史歴を遡ると、哲学者のパスカルが生まれ育ったところでもありました。圧力の論理を証明した人物です。台風など、気圧を示す、ヘクトパスカルの語源にもなっています。彼の功績が、後々、空気圧により、車を安全に快適に動かす必要性からのタイヤメーカーを生み出すことにつながってもいます。「人間一人一人は植物の葦のようなか弱い存在である。しかし、考えることによって、宇宙をも超える。」と言い残しています。人間の有限性の現実と無限の可能性を示しています。

 

【キーワード】(まとめ)

・食文化の歴史的・社会的意義

・平和的世界化への取り組み

・観光立国“人と文化の交流”

・食文化・食産業の近代史

・交通と“ジャーナリズム”

≪2.フランスの「食の地域戦略」~地域から情報発信と行政の可能性~≫ 【国家戦略(近10年)】食文化を内外に誇る優れた価値として

・2009年ユネスコ「世界無形文化遺産登録」を目指すと公式発表

・2010年「世界無形文化遺産登録」同時に、

「食品(食文化)のための国家プログラム」を政府発表

・2013年「シテ・ドゥ・ラ・ガストロノミー」政府公式発表

特色と伝統ある美食都市での統合プロジェクトを具体化

 

【シテ・ドゥ・ラ・ガストロノミー/フランスにおける4つの都市の拠点】

・ディジョン「ワインの伝統と文化」-地域の歴史的建造物の活用

・リヨン「食と健康(栄養)」-地域の歴史的建造物の活用

・トゥール「食品文化と科学」-地域の大学

・パリ・ランジス「市場とイノベーション」-建物を新設

 

【リヨンの特色】

・ガストロノミー(美食文化)・食品・ワイン・医療・薬学・衛生・安全・都市計画(エコロジー・エコノミー/緑地・トラム・自転車)・教育・ネットワーク・発信→【よく似ているリヨンと大阪の地域共通点から学びとる】

 

【リヨン公益行政の取り組み】

リヨン市、グラン・リヨン(開発公社や活動機能を持つ)、産官学民

【教育】公立国際小中高校の設立、高等教育機関の高度化や充実

→教育の国際化、高度化(→国際企業誘致)

→実態の社会と教育を結びつける考え

→大学で政策やアイデアコンペを行い、良いアイデアは大学で精査して、行政と連動し施行していく。メセナともつながる(留学生も含め、産官学の一例)

【交通】公共交通システムは、日本(アジア)から学んだ点が多い

→公共政策、駐車場システム、カーシェアリング

→自転車活用は、「エコロジー、健康増進・環境景観良化」

【文化・観光】観光資源・緑地化、交流機関、光の祭典、食文化の誇り

→リヨン市約70万の人口に、12月の光の祭典に300万人が観光訪問

【市民・生活】農・食・医連携、専門病院化、健康、スポーツ

【総合政策】協調ネットワーク、互恵コーディネーション、バランス

 

【文化・教育・環境・美意識・交流・対話重視】

≪3.日本の食文化「価値と評価」~「和食」ユネスコ世界無形文化遺産登録・2013年~≫ ・2013年「和食」ユネスコ世界無形文化遺産登録

→フランス料理の2010年登録から3年後に

→ユネスコ登録上は、「正月の食の伝統様式」としている

 

【江戸時代】

・参勤交代で、東京と地方が双方の食文化を知ることになる

・徳川幕府が行ったことは、水をコントロールしたという点

・都市は生活が忙しいことで、時間の効率化からも専門性が高まる

→専門性(そばは蕎麦屋、すしは寿司屋)、質が高まり無駄が減る。フードロス対策/小規模店舗

【日本の特徴】

・日本のアレンジ力の高さは素晴らしい。

・生産等のオペレーション・マネジメントは高いが、世界的なコミュニケーションや価値をつくることは、得意とは言えないのでは。

【大阪のたこやきを事例に話すと】

小規模、少人数で起業できることからも、専門性に特化している点からも、ビジネスモデルといえる。たこやきを世界に広めるのではなく、ビジネスモデルをアイデアとして、世界中のその地の文化に適応する、その地の民度に合わせて、その地に合う料理お菓子でのビジネスモデルを考えるヒントになる。

【コンパクトミニマリズム/食文化の特徴】

・マイナスの文化、本当に必要なもの(本質に向かう/ミニマリズム)

・食材重視、切る技術「刺身、桂向き」

・美しく盛る、細やかな仕上げ、彩、野菜の多用

・だし、短時間で香り、うまみ

・油脂に依存しない。肉を多用しない。

 

洗練・繊細、無駄のない効率化と合理性

日本型美意識、健康的→アジア・世界への文化的影響

 

日本の食文化の意義は、料理だけの評価ではない。

食材→料理→器→設え/掛け軸/生け花→室内空間

静けさ→穏やかな時間→庭園→景色→心のあり方

「料理の中の日本庭園」総合芸術といえるでしょう。

・日本の文化が所作や仕草にあらわれている

・日本料理は日本庭園 ⇔ ヨーロッパはオペラのように

 

【侘びの美学(わび・さび)】

戦国時代の反動的芸術。能、茶道、華道の精神。

華美、騒々しさ、奇抜なものを避け、世俗から離れ、簡素な生活の中、落ち着いた心境で、無駄なものを研ぎ落した後に残る、質素ながら、繊細で洗練された美の探求。無駄のない所作。成熟。奥深さ。潔さ。不完全の中に美を見出すこと。

 

【日本/大阪の優位性】

・一つの例えで、フランス人の仕事のやり方は、70%ほどの準備と30%の情熱。大成功もあれば失敗もある。日本の仕事のやり方は、99%の周到な準備と消えてなくならない心配。大きなミスはあまりないが、失敗を恐れぬ行動が起こりにくい。

・独自の文化都市→(大阪)については、独特なヒューマニズム。

かまへんかまへん、ユーモアがあり、ラテン的なところがある。

リヨンへの日本進出企業のはしりは、東レ、光洋精工(現JTEKT)、辻調だったように、大阪や関西圏からが多く、チャレンジする勇気が多かったように思う。

≪4.日本/大阪の食産業“変遷と発展”≫ 【日本の食産業の広がり】

・伝統継承型から大衆進化型へ、経済変化とともにすそ野が広がる。

 

【日本の食産業としての特徴】

①  新鮮で多様な食品、その持ち味を尊重

②  衛生、栄養バランスに優れ、美意識の高い、健康的な料理

③  精神、社会習慣の現れ“グローバル化と伝統食文化保護”

 

→新鮮素材重視/加熱時間短縮/軽さの追求

→安く・新鮮な一般的な食材をシンプルに上手に料理

→油脂が少なく、魚・野菜が中心/発酵食品(味噌・醤油)

→絶え間ないイノヴェーションとクリエーション

→多様性「味覚の世界化/地域特性/価格帯別」

→専門化「細分化とともに創造性・合理性/古典回帰の提唱」

→【世界で進む食の日本化/大阪の魅力】

【現在の日本/大阪】

・とりわけ価格帯別の多様性とクオリティは世界的に類をみない。

→フランスでは、質のある外食を考えるとある程度の支出(20ユーロ以上)が必要となる。10ユーロ以下では、ピザ、ケバブ等に限られる。

→日本/大阪では、数万円のなるほどの質高い料理、1000円程度のランチの多種多様性と質高さ、数十円数百円のパンやたこやきの独自性とクオリティ。たこやきのように、安く、大衆的なのに、客の前で仕上げる直前料理、熱々の料理、専門性と細分化のこだわりは高く評価。

しかし、働く人の賃金に反映されにくい。

・フランスでは、生きること(生活)に直結する娯楽であるレストランやカフェが街中に存在するが、生きることに直結するもの以外には規制をかける。ゲームセンター、パチンコ屋は無い。日曜日はほとんどのお店が休み。(近年、都心では日曜営業の許可が広がってはいるが)

→多くの人が生きることと喜びを感じられる社会を目指す。

≪5.善き未来へ「本質、根源的要素、持続性の探求」≫

 

・協調の探求、敵をつくることではない。地球人としての自分たちの文化を大切にすること。

・生きるために食べなければならない根源的な要素を重んじること。

・料理を楽しめる社会は、多くの方が喜べる、民主主義の理想の実現の一つ。

 

【日本の食文化・食産業のクオリティとポテンシャル】

・産業全般に関わる生食文化における秀逸なクオリティ【自然敬愛】

“空/山/川/海・・・釣針/船/市場/流通/小売/家電/消費”

【農業・流通・衛生・安全・管理・家庭・教育に至る】

【冒頭の2分間の映像】にあったように・・・

・漁獲してから管理が行き届き、セリ場でも重量のあるマグロを引きずらないのは、生食文化を大切にしている日本くらいで、食品に関わる全ての人の衛生や鮮度意識が高い

【“食の都・大阪”未来への希望】

・食における都市計画と教育環境の充実

・コンパクト・スマートシティと個性ある地域性

・トラベルバリアフリー・マイノリティ受容への取り組み

・食テーマの国際交流リーダーとしてのモデル(アジア型)

 

【何を緩和して何を規制するべきか】

・フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソー(むすんでひらいて作曲者)

【ルールについて】

①  守らなければならない

②  時代、社会、私たちとともに変化していくもの(変えてよい)

③  人の命や人の幸福の妨げになるのであれば守らなくてよい

 

【両立とバランス】公益性に近い考え方

・土地は必要です、ありすぎてはいけない、ましてや戦争なんて

・お金は必要です、ありすぎてはいけない、それで社会がひずんでいるなんて

・この後、文化尊重、個人尊厳の時代に向かって欲しい

・インバウンド/アウトバウンドによって社会貢献・国際貢献

・それぞれのアイデンティティーを尊重し合うべき

・相互・連携、行政と民間、全体の利益での思考

・私たちひとりひとりの塊や魂が行政であり政治である

 

【ポール・ボキューズ】(フランスの料理人 1926-2018)

「伝統的な料理、革新的な料理どっちが好きだ?」の投げかけ

・「今、革新料理だとしても10年後には伝統だ。今、伝統だといわれる料理もかつては革新だ。料理において大事なのはあなたが食べて美味しいかどうかだ。」私は大変お世話になったが、実に本質を言い当てていた。

≪最後に≫久保昌弘先生 最後に、未来へのメッセージとして、願う未来を、望む世界を創り出すには、ポジティブな思考で、乗り越えなければならない課題があっても良き教育を押し進めていくことが大切です。人と文化の交流は、それぞれの特徴、長所をよく知り、交換し合い、分かち合い、相互に尊重し、ともに活用し、お互いがよりよくなるようにすることです。これは友人関係でも同じことだと思います。違うことが難しいことではなく、違うことが興味深いことだと思える社会であって欲しいと思います。その時に本質を語り合うことによって、あなたのおかげで勉強になりましたと、どんどん取り入れていく、多くの人が成長することで、よりよい方向に進んでいってもらいたいと思います。食を通じて、人の喜びや幸福、未来への希望を語って実現することこそが、世界の平和のために、大切な地球のためにと、私は考えています。これが、皆さんに伝えたい、私たち自身の未来への希望のメッセージです。これで、本日の〇〇〇〇での私の講演を終わります。どうもありがとうございました。ご協力いただきました、辻調グループ校、日仏経済交流会、官邸、総務省、レジス・アルノー氏、友人・知人の皆様、〇〇〇〇の関係者の皆様に、深くお礼申し上げます。そして、本日ご参加の皆様、ご清聴ありがとうございました。
≪質疑応答≫ 【久保昌弘先生】それでは、質問のある方は挙手にてお願いします。

【芦髙清友】議事録担当させていただきます芦髙と申します。本日は貴重なご講義ありがとうございました。7ページの日本食文化の歴史、江戸時代の部分で徳川幕府が水をコントロールしたというお話がありました。それは農業的な意味合いなのでしょうか。

【久保昌弘先生】そうです。日本は、もともと中央に山が高くて、平地が少なかった。今でも同じですが、集中豪雨が起こると命に関わるので、治水がとても重要でした。特に開拓地である江戸においては水をコントロールすることが重要でした。郊外では、農作物の安定生産、その供給に繋がってくる。徳川、江戸時代ではそのように捉えていました。NHKが時代劇を制作し、江戸時代の治水について今年の1月に放送されていました。この番組に徳川記念財団が関わられており、理事長の恒孝様が、10年前にフランスのリヨンにお越しになり、ご一緒させて頂き、このことを教えて頂いた経緯があります。

【芦髙清友】ありがとうございます。象徴的な施策があったのでしょうか。

【久保昌弘先生】治水をすることは農業も、生きること(生活)も、水路としても、特に江戸を中心に考えれば重要な意味を成しえた。郊外では、安全と農業の安定と発展につながり、そのことは、その時代よりはるか前に考えられた日本の歴史、稲作文化の興りの根底、その地の自然を理解した安定した社会構築で安全や平和を築こうとすることと同じではないかと思います。(玉川上水・利根川東遷事業)

 

【質問者A】フランス料理とはどのような料理のことをいうのですか。

【久保昌弘先生】いい質問です。かつては、今ほど人の行き来がなかったので、フランスに行かないとフランス料理が食べられませんでした。ところが、これだけ人や物が行き来する中でその枠組みはなくなりつつあります。歴史的な意味合いで、フランス料理、日本料理という、言語的な観点も含めて使用していますが、現実的に進んだ料理はフランス料理や日本料理という概念はもはや無くなっています。私が受け持った学生がパリでフランス料理というような看板で星をとっています。彼らがやっているのは、フランスでフランス料理を提示しているのですが、かつてのフランス料理と全く違います。ソースがありません。私から見ると素材重視でもはや日本料理です。かつてのバターや生クリームを減らして、泡立ててソース仕立てにして香草を使ったりして軽く仕上げています。唯一言えるのは、つくっている本人が、これはフランス料理ですということに意味があるのだと思います。日本はまだ、外国人が寿司を握っているということはあまりありませんので、料理の伝統を守っている方だとは思いますが、もはや時代は、個人の料理という方が正しいかもしれませんね。

 

【質問者B】日本では一人で食べる個食がありますが、これは文化として捉えていくものなのでしょうか。どのように考えればよいのでしょうか。

【久保昌弘先生】個食は、毎日のこととしては、私は望まないですね。食事は、家族や友人や食卓社交として価値あるものであって欲しいと思います。しかし、個人が望まれて個食をされることについては、尊重されるべきだと思います。フランスでも都心ではその傾向が見られますが、これは働き方やライフスタイルが変わり、長い時間かけて食事するスタイルから、スピーディにランチしたい人が増えてきたことで、社会の中での必然性と捉えて選択されているところはあると思いますが、子どもの頃から、一人ではなく、家族で食事をして会話を通じて社会教育に繋げていって欲しいと思います。望まぬ個食は解消して欲しいです。

 

【質問者C】先生のお立場の方が、辻調の中でどのような役割であるのか、また辻調がどのような発展を遂げたのかが一点目です。もう一点は辻調など専門学校では200万円程度費用がかかると思うのですが、教えておられる立場から生徒たちが200万円でえられるもの、メリットなどがあれば教えていただきたいと思います。

【久保昌弘先生】辻調の歴史を語るのは時間的に難しいですね。私から一つ提唱できるのは、創設した辻静雄先生がいます。彼の著書2冊を紹介します。復刊ドットコムから復刊されています。「エスコフィエ」と「フランス料理を築いた人々」です。極めて有意義な話がたくさん載っています。このあたりを読んでいただければ、辻静雄先生がどのようなことを考えて辻調を創設したのかがわかると思います。私自身は辻静雄先生のもとで働きたいと思い就職しました。一番最初にフランスに転勤する際に、私はフランス語が出来たわけではないのですが、静雄先生に、「君は、私はこう思う、私はこうしたいというように主語があるね。」と言われました。当時は、私は、私は、という話し方は、あまりこのまれない要素であったと思います。それでも自分(個)を持っている、辻先生がその点を見出してくださり、フランスに行きなさいとなったわけです。その時に、当然、私はフランス語が出来ませんと言ったのですが、「だからいいんだ。だから行くんだ。ゼロ出発だからこそ吸収出来るんだ。」と言われました。後に通算18年間もフランスにいることになるのですが、そこで得られたものは、やはり哲学だと思います。ヨーロッパ哲学です。それは教育にも大きく関わっています。日本の教育は平均値が最高の仕上がりと考えます。ですから、安全、衛生、民度の高さがあるのだと思います。ただし、突出することが許されず、いわゆる多様性という部分に関しては現時点では限界があるように思います。今後の伸びどころだと考えています。記憶の教育、教科書教育のウエートが高いからだとも思います。ヨーロッパは思考の教育です。つまり先生が学生に話をして学生も質問をします。先生はダイアログ(対話)で次々に答えていきますが、教室以外でも必要になるコミュニケーション能力が自然と高まっていきます。ただし、どちらにも弱点があります。記憶の教育と思考の教育を両立させることが未来の教育のあり方だと思います。次のご質問ですが、辻調の授業料はそれなりのものとなります。毎日、料理を作って、食べて学びますが、作り方や知識は言語化出来ます、映像化出来ます。しかし、味覚は言語化も映像化も出来ないのです。味覚というのは本人が毎日食べて、本人の体の中に味覚の教科書を持つ必要があります。そこが一番の特徴です。これをどう活かすかといいますと、世界最高レベルの食の技術と知識、その教育が辻にあります。なぜならば、辻自体が750冊の本を書いています。多言語翻訳もしているので、この先どこまで増えるのかと楽しみにしていますが、この技術と知識をどういかすのか。卒業生が世界で示しているわけです。海外で起業して、後輩の雇用を創出して、社会の幸福をつくり出しているところに答えがあると思います。それぞれの地でそれぞれの背景が違う中で、文化や歴史、嗜好、民度を知って、そこにある自然や食材を知って、その地で料理やお菓子を創り、理想の実現をしているからこそ、世界から辻を評価していただいているのだと思います。

 

【質問者D】学校給食の観点から、現状での先生のご意見をお聞かせいただけたらと思います。

【久保昌弘先生】学校給食も食育の観点から様々な取り組みはされていると思います。昨年亡くなられた、ポール・ボキューズが10年くらい前だったと思いますが、社会で得たものは社会に還元する、これからは学校教育に関わりたいとおっしゃいました。同じような思いを持たれている料理人は、大阪にもおられると思います。行政が関わるのであれば、フランスでは、美食週間というものがあります。他にも、味覚週間もあります。地元の料理人や菓子職人が関わり、その期間に、例えば、ルイヴィトンのショーケースにバックの形をしたチョコレートが並んだりします。社会全体で取り組んでいる例としては興味深いと思います。学校給食でも、栄養士以外の方がメニューを考えたり、地域を代表する有名な料理人や子どもたちの意見が反映されたりすれば、学校教育と学校給食との接点になりうると思います。

 

【質問者E】今日はありがとうございます。普段、フォーマルな料理の経験が少ないものですから、良い勉強になりました。大阪の食文化や産業を取り上げていただきましたが、大阪が食の都、くいだおれと言われていましたが、現在は崩壊していると思います。昔は確かに、江戸時代あたりでは、全国から食材が集まってきていたこともあり天下の台所といわれていたとは思いますが、現在では京都に代表される京料理のようなスタイルは大阪にはあるのでしょうか。

【久保昌弘先生】大阪には関空があることにも理由はあるでしょうが、これだけ観光客が来られて、観光客を楽しませているところは、食文化としても価値はあると思います。京都とは背景そのものが大阪とは違います。京都府や京都市の取り組みは、観光都市ではなく、文化都市であると宣言されています。大阪に関しては、何万円もする三ツ星レストランがあって、250円程度のたこ焼きがある。百貨店があって、個人経営のパン屋さんでも100円、150円で様々な種類のパンが売られている。このことは、外から見ると、極めて価値のある文化であると思います。大阪の食文化は住んでいる人から見るとかつての文化が廃れてきているように感じるかもしれませんが、外から見ると非常に素晴らしい価値の高い存在として見られています。戦略として今後の伸びしろとして考えるのであれば、ハイクオリティのブランディングをする、あるいは若い料理人への支援もあって欲しいと思います。

 

【質問者F】日本では、ミシュランやグルメサイトなどでの点数を見てお店に入ることが多いと思います。フランスではどうなのでしょうか。

【久保昌弘先生】インターネットの世界になってからは、日本とフランスの差はないです。フランスでもありますが、毎回、高価なものを食べるわけにはいかないと思います。最終的には自分にとっての評価が高いレストランを探して欲しいと思います。フランスでは、ガイドブックやサイトの情報にはない、美味しく、名もなき町のレストランを見つけることは、とてつもない宝物を見つけたことと同様な思いになる人が多いです。

 

【質問者G】5ページのところで、三ツ星レストランを持つあるグループで三ツ星レストランは高額だけれども儲からない、低価格帯のレストランでは、その10倍の利益があるという話がありました。経営目線で考えると、三ツ星レストランでやっていることをやりたいのだけれども、低価格帯のレストランをやらざるをえないという思いで経営しているということなのでしょうか。

【久保昌弘先生】そういう感覚ではないと思います。ブランディングとマスメリットの両立です。ファッションで例えると、ジョルジオ・アルマーニのように30万円のブランドのスーツが買える人は限られている。セカンドブランドであるエンポリオ・アルマーニで、3万5千円のセーターで気に入っているのであれば、買おうかなと考える人は増えます。アルマーニ・ジーンズで、1万円以下のジーンズなら買うという人も大勢になってくるでしょう。市場のお客様を喜ばせるのが仕事だと思って働いているのであれば、ブランドのお店で働いていないからといって劣っているとは思いませんよね。野球で言えば4番が凄いというわけではありませんよね。役割のある7番がいて、チームが勝つということです。ファンであるお客様が喜び、チームとして経営成功ということだと思います。

【質問者G】ターゲットが違うということだと思うのですが、例えばドトールコーヒーが250円程度でコーヒーを提供していますが、星乃珈琲を出店しています。洋服の青山がスーツカンパニーを出店しています。ターゲットに合わせて基のイメージとは合わないものはコンセプトに合わせて同じ会社が違う名前で出店するという手法と同じということでしょうか。

【久保昌弘先生】産業界においては、産業的視点での寡占化なのかもしれません。企業のタイプによっても違いがあると思うので、どちらであるということは言えませんが、ポートフォリオ(目的の束)も含め、経営判断の中ではありうることだと思う。

 

【質問者A】中学校の給食がまずいと言われます。弁当方式で衛生管理上、温められないので冷えている状態なのですが、冷めたらまずくなるのでしょうか。もう一つは、贅沢な意見ではないのかと思うのですが先生はどのように思われますか。

【久保昌弘先生】一概には言えませんが、社会が豊かになっている点はあると思います。その中で学校の教育、家庭での教育というのも関係していると思います。私は食べていませんのでまずいかどうかは分かりませんが、味覚としても10人中10人が美味しいというものはあまり存在しません。学校給食の目的は、限られた金額で栄養バランスも考えられていて子どもたちの学校生活を支えるためにも必要であると思います。個人の嗜好の違いもある中で、全員が美味しいとはならないと思います。個人的な見解ですが、フランスと比べても、日本の給食はレベルが高いですよ。フランスの子ども達は給食をとらない子が多いです。たとえば、大阪では、それらのことは、行政と教育機関と辻調などが話し合っていくことも良い方法ですし、中学生自体がその話の中に入って、学校給食の合理性などを知る機会を作っていってもよいと思います。理解が深まると味覚が変わるということもあります。

 

【質問者F】9ページのところで、価格帯によるところで従業員への反映のお話がありました。飲食業界の離職率が高い中、今京都では、佰食屋が流行っていますが、そのようなあり方が広がっていくのでしょうか。

【久保昌弘先生】従業員への反映は、佰食屋のように、ロスが少なく、働き方としても合理的であることで、一例だとは思います。ただ、別の側面では、日本とフランスにおいては食べ物や飲み物の社会価値の高さが違ったりもします。フランスでは6000万人の人口に8000万人以上の観光客があり、100年以上前からアウトバンドでも広がっていったフランス食文化への憧れがあり、飲食業界の社会的地位や賃金が日本とは違うということも言えると思います。労働法の週35時間法や税制とも関りがあると思います。例えば、フランスでは、外食の消費税率が19.6%であったものが、不況時に5.5%に引き下げられた時、政府広告で、税金が減額されますが、3分の1はお客様のメリット、3分の1は働いている人に、3分の1は未来への投資、新しい雇用等に、というふうになります。離職率に対しては俯瞰的に労働環境や条件も関わりますから、皆さんにお配りしている12ページの一番下に、フランス社会の概要を示していますが、共同体的コーポラティズム(社会連帯システム)とありますが、そこに繋がってきます。ヒントにはなると思います。

 

【質問者B】味覚という目に見えないものを形つくっていく大切さを学びました。その中で、ベーシックな部分は幼少期から、どのようにすすめていけば良いのでしょうか。例えば、就学前の子どもたちに給食が出ますが、家庭の味が濃いので、給食は薄味で食べられないなどが現場ではあります。そんな中でどのように進めていけば良いのでしょうか。

【久保昌弘先生】家庭の影響は大きくて、かつ外的要素が入りにくいところがあります。義務教育期間中に行政や政治的な選択で、味覚週間や美食週間は出来うることだと思います。一元的にみんなが給食でなくてもいいわけです。それぞれが自立して準備できるランチの選択肢も加え、多様性を持てば、給食の味という課題は、個々の選択でという考えも持てます。味覚には、記憶的要素があり、家族団欒という経験や、新鮮な食材は自然に近いものを、加工食品は余計なことをし過ぎずに、少量・適量の調味料で味付けられたもの、言い換えると、味覚のスタートは、味付けが控えめであることも、社会民度として知られるといいと思います。

ここから話すことは、思考・哲学的でもあると前置きしなければなりませんが、ものではなく人にお金を使う傾向があるヨーロッパでは、未来への人口統制に繋がっていきます。日本では、戦後から今までの傾向としては、人ではなく箱ものに使いました。これは悪いことではなくインフラが整いました。ようやく教育の無償化など人にお金を使っていくように意識も高まってきています。文明の進化の中で50年後、100年後に良くなっているように努めるのが我々の使命なのかもしれません。一律、給食を前提としますと民意として許される範囲で出来うることは、まずは良いコミュニケーションをしていく、その中で一人では出来ない、一家族ではできないので、産官学民の多数が関わってくると、影響力が大きく、それぞれの家族ということにも少なからずつながってきます。日常で言うと、昨年叙勲をうけた長年の協業者がこのようなことを言っていました。いい結果の前にはいい行動がある。いい行動の前にはいい考えがある。いい考えに至るまでに思想や哲学を体験的に知識として会話を通じて積み上げて行っているのだと。よって、日常の会話が、日常の行動がいかに重要なのか。失敗があったとしても未来への力になると考えるべきで、変な完璧主義になってしまわずに、今起こっていることを受けとめて、理想を求め、時に漸進な思考をもつことが大切です。良識を求めようとする言動を続け、全部繋がってくると、いずれ良い結果になると思います。

長い時間ありごうとうございました。十分に答えになったかは別として、このように会話をすることが重要です。それぞれの会話からそれぞれの違いを知って、本質を射抜こうとすることを共有して、具体的に行動をともにして、その結果を冷静に見つめ、さらに未来に進めていくことがこの授業で伝えたいことです。本日はありがとうございました。

≪〇〇〇〇※ホスト≫ 今一度、久保先生に大きな拍手をお願いします。久保先生、ありがとうございました。

 

≪以上をもって第〇回〇〇〇〇を終了し、次回開催日を〇月〇日(〇)とした。≫

いかがだったでしょうか。まちづくりにおいては、背景と目的を追求せずに、具体例だけを研究して、何かと方法論になりがちですが、久保先生のような哲学がベースにあれば、目的を達成するためにしなければならないことが、はっきり見えてくると考えます。小手先の手法ではなく、理念の大切さを学びました。深い知識と経験こそが、それらを築けるのだと気づかされました。奈良の食に関わる方にとっては、気づきや学びが得られる議事録ではないかと思い、今回掲載したしだいです。現場知、知識と経験からくるお話は、参加者と対話して答えを探していくという手法で、惹き込まれ、あっという間に時間が過ぎました。焦らず、じっくり、日々、こつこつと学び続けなければ。何事も特効薬はないですね。日々の生活での積み重ねこそが、その人そのもの、その人の考えです。付け焼刃では、思い付きでは、何も生まれないよな。

まちづくりに携わるものとして、料理に携わるものとして、食や農での商工観の連携を推進するものとして、この議事録は定期的に読み返しています。当たり前のことを当たり前に、日常の生活を大切にしなければ。

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